"こころとおうちの片づけ塾"を主宰している"野村ななえさん"のインタビュー第3回めです。
前回は、ななえさんの素敵さの秘密が"お片付け"にあることと、ななえさん独自のお片づけメソッドを伺いました。今回は、ななえさんご自身について伺っています。
ななえさんは、北海道鶴居村出身で、18歳の時に上京し、2人目の産休に入る前までの約15年間、ジャーナルスタンダードやテネリータなど有名ブランドのデザイナーとして活躍されていました。現在は、東京都小金井市にお住まいで、6歳・1歳の元気いっぱいな男の子たちのママでもあります。

実際に行動してみることが、可能性を広げてくれる
前回書いたように、ななえさんの1日は、きっと48時間あるのでは!?と思うくらい色んな事が出来て、どれもクオリティが高く、皆が憧れる存在です。ななえさんに、なんでそんなに色々できるのかを聞いてみると、「元々せっかちで、チャキチャキした性格だったってこともあるけど、小さい頃から母子家庭で、お母さんは保育士の仕事が忙しかったから、小学校3年生の頃には1人でなんでもやらなきゃいけなかったってのもあるかなぁ。お姉ちゃんがいたけど年が離れていたから、アルバイトで忙しくてあまり家に居なくて。家に帰ってから寝るまで、ご飯を食べるのもお風呂に入るのも1人だったから、自然と要領よくやっていく癖がついたんだと思う。」と話してくれました。
でも、同じような環境の人がみんな、ななえさんのように何でもできるようになるわけではないはず。お話を伺ったり、ずっとななえさんを見てきたりした中で思うのは、今のななえさんを作ったのは、きっと、ななえさんの"気になったらすぐ調べる姿勢"や、知識を得たらそのままにせず、"自分でも試してみる(行動してみる)姿勢"なんじゃないかなぁということ。そうやってこれまでコツコツ積み重ねてきたことが、どんなことにも詳しくて、何でもできるななえさんを育ててきたんじゃないかなぁ・・と。過去にななえさんが試行錯誤した1時間は、現在のななえさんに2時間、3時間以上の価値や可能性を与えているように感じます。
気づいたら、ずっと苦手だったお片付けが大・大・大好物に♡
「片付けることは、昔から得意だったの?」と尋ねてみると、「ううん、全然!」と意外な返事が返ってきました。
「子供のころは、落ち着きがないって周りからよく言われていて、忘れ物も多かったの。片付けることも苦手で、親や先生からよく注意されてたんだぁ。だから、自分はずっと片付けが出来ないって、自分自身でもそう思っていたの。
片付けられないのは、東京に出てきて一人暮らしを始めても同じで、結婚しても、子供が生まれても、出来ないままだった。でも、長男が生まれてしばらくした頃、こんなんじゃ嫌だって、すごく思って。その頃ちょうど、友達から整理収納アドバイザーの講座を教えてもらって、試しに受講してみたらすごく面白くて・・ハマったんだよね~笑 講座は毎回とっても面白くて、学んだことを自分の家で実践するのも楽しくて。私があんまり楽しそうに家の中を片付けてたから、夫も、そんな私の様子を面白がって、興味を持ってくれて。気が付いたら、家がスッキリ片付いてた!そして、夫婦仲も、更に円満になってたのー♡まさに、お片付けの凄さを実感した出来事だったわ~。
それからは、お片付けの気持ちよさにすっかりハマってしまって、汚部屋が大好物になったんだよね~笑 散らかってれば散らかってるほど、ワクワクしちゃう!!自分の家を片付けた後は、ワクワクするものが無くなっちゃったから、軽い汚部屋ロスになっちゃって。笑 そのうちに、家族や友達からお片付けを頼まれるようになったから、頼まれると嬉しくて、張り切ってお手伝いしてたんだぁ。」と、本当に楽しそうに話してくれました。
昔は汚部屋に住んでただなんて、今のななえさんからは全く想像がつきません〜!
ななえさんが塾生さんたちに手渡しているお片づけの方法も、それぞれが家で過ごしているワクワクする未来を想像するところから始まるそうです。そこをしっかりイメージできれば、「お片づけは、単なる辛い作業では無く、それぞれが描くワクワクする未来に向かう楽しいことに変化する」んだそう。つい、面倒と思ってしまう”お片付け”ですが、それ自体を楽しいことに変えてしまうとは!ななえさんだからこそ出来た発想の転換ですよね。お片づけは一生続くものだから、ななえさんのようにワクワクしながら楽しく片づけられたら良いなぁと思います。

辛い時はジャンピングポイントにいると捉えよう
そして、お片付けができなくて悩んでいたことについて、
「私ね、ジャンピングポイントって呼んでるものがあって。それは、自分がいる場所が低ければ低いほど、それだけ高く飛べるってこと。私の場合は、お片付けが小さい頃から出来なくて、でも、自分でなんでもやらなきゃいけなくて、出来ない自分がもどかしくて苦しかったこと。"できない”って周りからも言われてたし、自分でもずっとそう思ってた。でも、それじゃ嫌だって思ったの。すごく強くそう思ったし、自分自身、その事をとっても悩んでいたから。。あの時すごく苦しかった分、今は大きくジャンプできたんだと思うんだぁ。だから、今すごく悩んでいることがある人には、「今は、大きくジャンプする前の”ジャンピングポイント”にいるんだよ。大丈夫だよ~!」って教えてあげたい。」と、とてもすがすがしい笑顔で話してくれました。ななえさん自身がお片づけのことで沢山悩んできた分、同じような辛さを抱える人の気持ちに寄り添って、優しく導くことができるんですね。
ななえさん流・自分の心を整える方法
私がななえさんと一緒に時間を過ごしている中で、もう一つ、ななえさんってすごいなぁと思うことがあります。それは、いつ会っても、ななえさんは笑顔で穏やか。怒っているところも、不機嫌なところも、何だかモヤモヤしているといったところも、ほとんど見たことが無いということ。どうして、いつもそんなに安定していられるんだろう?と、ずっと疑問に思っていました。ななえさんも人間ですし、小さなわんぱく兄弟を育てているママ。子供、親、保育園、仕事など色んな人との関わりの中にいて、そこには色んな立場の自分もいる。毎日のスケジュールも分刻みのはずだし、もし落ち込むことがあっても、子どものお迎えの時間はやってくるはずです。
そこで、今日は良い機会だと思い、「どうして、いつもそんなに穏やかでいられるの?何か心掛けていることがあったら、教えて〜!」とお願いしてみました。すると、こんな話をしてくれました。
「えー、そうかなぁ?私だって、落ち込んだりするときもあるよ~笑 んー…心掛けていることと言えば、"どんなときも、あらかじめいくつかの選択肢を考えておく"ってことかなぁ。例えば、これから初めて会う人がいたとすると、まず、どんな人かなぁって想像してみる。それで、相手がこんな人だったら…って、事前に3つくらいのパターンを考えておいたりするんだぁ。優しくて話しやすい人だったらとか、あまり自分から話してくれない人だったらとか。もし1つの選択肢しか考えてなかったら、そうならなかった時にがっかりしてしまうけど、あらかじめいくつかの選択肢を自分の中に用意するようになってからは、大きくがっかりすることがグッと減ったと思う。」
なるほど〜。いつも穏やかなななえさんは、事前にしっかり準備することで作られていたんだなぁと、目から鱗でした。ななえさんはサラリと簡単そうに言うけれど、事前に色んな選択肢を想像しておくって、実際にやってみるとかなり難しいです。でも、これもきっと慣れなんだろうなぁ。実践あるのみ!家の中だけでなく、自分の心も自分でしっかりと安定させる方法を教えて頂きました。

壁にぶつかるたびに、「だったら、どうする?(^^)」と自分に問いかけて、自分で解決方法を見つけて行動してきたななえさん。そんなななえさんの瞳は、常に前をしっかり見据えていて、どんな時でも自分で自分を奮い立たせる力があるように感じます。
次回は、いよいよ最終回。ななえさんが今思い描いている、””心とおうちの片付け塾””の今後のビジョンを伺います。
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